フランス紀行 3

青華と私は日本画の出品のため、ルーブル美術館近くのコンドミニアムに1週間ほど滞在していました。

その1週間の私たちの食事は、朝はコンドミニアムのキッチンで軽い朝食を作り、昼はカフェやレストランでセットメニューを選びました。
フランスではどこに行って何を食べても美味しく、特に果物と水の美味しさは際立っていました。

でも夕食に関しては、ちょっと苦労したのです。


フランス滞在の初日、日本から出発してパリのコンドミニアムに到着したのは午後4時頃で、緯度の高いフランスは日が暮れかかっていました。
移動時間が長く疲れていたので、その日の夕食は近所のサッポロラーメン屋さんに行きました。

えー!フランスに行って、サッポロラーメンを食べたのー!
とこれをお読みになってる読者さんに呆れられそうですね。
札幌からわざわざフランスに行って、そこでサッポロラーメンを食べたなんて、まるで交響楽団のコンサートを聞きに行ってイヤホンでいつものポップスを聞くくらい勿体ない話です。
     
でもご安心ください〜
サッポロラーメンはとても美味しく、現地のフランスの方々で賑わっていて、冷えて疲れた身体がいっぺんに回復したのです。
とは言え、明日こそは素敵なレストランで美味しいディナーを食べようと、青華と誓い合ったのでした。 

翌日は日本画の出品会場に終日いて、夕食に出たのは午後9時くらいになってしまいました。
すると通りはひっそりと暗く昼間の賑やかだった活気が消えて、雰囲気が一変していました。


青華と私の二人だけで、この道を歩いて大丈夫なのだろうか…と不安が頭をよぎったその時に、前方から足元がおぼつかない人影がフラっとあわられました。
その人影は不思議なことに頭から毛布を被り、カップヌードルを手掴みで食べながら、こちらに向かって歩いてきました。
「ひぇ〜!!(◎_◎;)」
見た瞬間、青華と私は踵を返してコンドミニアムに走って帰りました(^_^;)💦


そうここは外国!
土地勘がない女二人が遅い時間に道を歩くなんて無謀でした〜!


その日の夕食はコンドミニアムの部屋の中で、果物とクッキーを食べてしのぎました。
そして明日の夕食の計画を立てたのでした。
調べてみたらほとんどのレストランの夜の営業は7時開始で、レストランで食事をゆっくりすると帰りは9時過ぎてしまうことがわかりました。

「うーん (´・_・`)」
考え込んでしまいました。


暗がりの中、毛布を被りながら手掴みでカップヌードルを食べて歩く人間を初めて見た衝撃は大きく、遅い時間帯に外に出かけることはやめようね〜となりました。
その代わり、夕方に近所の食料品店に行って新鮮な野菜や果物を買ったり、デパ地下に行って美味しそうなチーズやキッシュを買って、お部屋の中でゆっくり頂きました(^-^)


ですがフランス滞在の最終日の前夜、やっぱり素敵なレストランでワインを片手にディナーを食べたいね〜となり、美味しいと評判のレストランに行きました。
そこはコンドミニアムから歩いて3分の近さで、昼間そのレストランの前を通るといつもお客さんが外で待っている人気店でした。  
いざとなったら走って帰れる距離なので夜でも大丈夫〜となったのです。

ZIN(仁)という名のそのレストランは、名前の通り日本人シェフのレストランです。
行った時は予約で満席でしたが、親切にも窓際に小さいテーブルを用意してくれ、念願のフランス料理をいただく事ができました。(*´∀`)♪

あれ?日本人シェフ〜?とツッコミが入りそうですが、そこは大目に見てくださいね。


美味しい美味しいフランス滞在にSante!(乾杯!)

城下八重子